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評価の形骸化を防ぐ人事の役割
(株)ワンネス・コンサルティング 代表取締役 宮川淳哉
下記に当てはまる項目が複数ある場合,御社の評価制度の運用は形骸化している可能性があります。 ■制度運用では何を優先すべきなのか
評価制度の運用で優先すべきことは何でしょうか。「フィードバック面談や期初の目標設定が滞りなく期限までに実施されること」「評価者の主観ではなく,客観的な事実に基づいて評価すること」「公平性を保つために,部門間や評価者間のバラつきをなくすこと」「納得性を高めるために,評価理由を丁寧にフィードバックすること」……もし,これらが優先されているのであれば,そもそもの「人事評価の目的」を履き違えているかもしれません。 ■成長と業績に貢献する仕組み作りとフォローを
「うまく運用されている」と言えるためには「目的が達成されている」必要があります。評価制度の目的が「社員が成長し,それにより会社の成長や業績向上が実現できている状態」にあるのだとすれば,現状の制度がうまく機能しているかどうかの判断基準は「実際に社員が成長したのか」「目標達成・業績向上ができたか」です。もし実現できていないのであれば,評価制度の運用はうまくいっていないのです。評価シートや目標管理シートは査定のツールではなく,育成と目標達成に向けたPDCAを回すためのマネジメントツールであり,評価制度の目的を実現する手段であるはずです。社員は年間を通して目標達成に向けて行動しているのであって,期末の評価や面談をどんなに正しくがんばっても,その瞬間に成果が生まれるわけではありません。
(月刊 人事マネジメント 2022年3月号 HR Short Message より)
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1979年、北海道札幌市生まれ。横浜市立大学国際文化学部国際関係学科で国際開発学を専攻。 途上国を中心にバックパッカーとして旅を続けるなかで、貧困撲滅のための教育インフラの整備に関心を抱く。日本の民間企業での教育改革の先駆的存在であった教育関連企業へ入社。教育実務および事業運営に携わる。サポート対象を大人にも拡大したいという想いから、2003年に総合コンサルティングファームのアタックスグループへ入社。以来、組織人事コンサルタントとして、人事制度構築、組織開発、事業戦略・経営計画策定などの経営支援業務および人財育成・企業研修業務に従事。これまでに350社を超える中堅・中小・ベンチャー企業から上場会社までの変革の場をリードする。一体感をコンセプトに、「幸せと利益の両立を実現させる“いい会社”」創りを支援し、世の中で“いい会社”“強い会社”を増やすべく、2011年に株式会社ワンネス・コンサルティングの立上げに参画し、取締役に就任。【組織の一体感創り】と【会社の自働成長支援】をコンセプトに、経営者・後継者の経営パートナーとして活動を続けている。特に、組織・人事を経営視点で活性化させ、会社成長と社員の成長を両立させ、業績向上を実現させる手法に定評がある。 >> (株)ワンネス・コンサルティング http://www.oneness-consulting.com/ |