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セルフモチベーションの効能に注目
学校法人産業能率大学 総合研究所 主幹研究員 野間健司
企業の教育研修で今,最も伸びている分野の1つが“モチベーションアップトレーニング”だ。狙いは,セルフモチベーションスキル,つまり社員各自が自分自身でモチベーションを高めていくスキルを習得することにある。社員が自分でモチベーションを上げることができれば,管理者が部下を叱れないと嘆いたり,報酬をちらつかせて社員のお尻を蹴飛ばす必要もない。しかも,モチベーションは瞬時に高めることが可能であり,セルフモチベーションスキルのトレーニングは極めて投資効果が高い教育研修といえる。 ■管理者にこそセルフモチベーションスキルが必要
人生では中年期が最もモチベーションが低下するというデータがある。その時期にあたる管理者層では,モチベーションの個人差が大きい。モチベーションの高い管理者だけであれば問題はないが,実態はそうではない。管理者のモチベーションが低いと,自動的に部下のモチベーションを下げる(防衛)行動を誘発する。つまり,教育研修の企画では,一般社員のモチベーションを上げようとする前に,管理者自身のモチベーションを一定レベルまで引き上げる必要があるのだ。セルフモチベーションスキルの習得は管理者の最重要課題といえる。 ■仕事を含めた人生の前向きな意味づけを問え
人生でも仕事でも,起きてしまうことはコントロールできない。自分でコントロールできるのは,唯一,意味づけである。社員たちは自分の目標に,どんな意味づけをしているだろうか。“やらないとまずい”という苦痛の意味づけもあれば,“この目標で自分は成長できる!”といった前向きな(快感の伴う)意味づけもある。目標に前向きな意味をつけるためには,仕事に対して前向きな意味をつけていなければならない。そして仕事に対して前向きな意味をつけるためには,人生に対して前向きな意味をつけている必要がある。
(月刊 人事マネジメント 2012年12月号 HR Short Message より)
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1964年生まれ。中央大学法学部卒業。大手コンサルタント会社に勤務後,外資系企業の日本代表を務め,現在は学校法人産業能率大学で企業研修や講演会を行う傍ら,パーソナルコーチング,メンタルカウンセリングを行っている。過去25年以上で,のべ2,000社以上の上場企業や中央省庁の組織変革の指導,リーダーシップトレーニング,モチベーショントレーニング等を実施。モチベーションスキルの普及をライフワークとし,モチベーション研修の実績社数は業界トップクラス。米国NLP協会公認トレーナー。3.11以降は東北地方の復興支援のために,講演会やカウンセリング活動を精力的に行っている。E-mail ken.moti@i.softbank.jp >> 産業能率大学 http://www.hj.sanno.ac.jp |