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考えて動く人財の増やし方
エール(株) 代表取締役 與良昌浩
「受け身な社員は,どうしたら変わるのでしょうか?」指示待ち,他人任せ,言われたことしかやらない……。組織開発の仕事をしていると,こういった相談をよく受けます。中小企業でも大企業でも共通する“人事部(人材育成)のお悩みごと”です。こういった受け身な社員が人事部など外部からの働きかけで本当に変わっていくのか? そう感じた方もいると思いますが,しかるべき施策を講じ,必要な環境を整えていけば,徐々に変わっていきます。ポイントは,「何をするか」の前に,社員に「どういう状態になって欲しいか」から考えることです。 ■自ら考えて動く人財が持っている3つの「感」
担当業務を自分事として捉え,自分で考えて行動できる人は,次の3つの「感」を持っています。 ■社員の変化を促進する2つのキーワード
1つ目は『内省』です。内省とは,日々の業務や現場から少し離れて,自分のこれまでの経験や実績を振り返りながら未来を考えることです。例えば,仕事における過去の経験や実績の意味を考える,改めて仕事の意義や目的を考えるなどです。内省する機会を増やしていくことが,社員の自己理解を促し,モチベーションの向上につながります。ちなみに,内省する機会を持つことなく仕事をし続けると,「担当業務が他人事になる」「不平不満ばかり言う」「他責になる」といった社員が増えてしまいます。 ■考えて動く人財を増やし続ける鍵は“仕組み”
弊社の支援先では,内省するための対話会や日々の仕事を振り返って意味づけする社内SNSを展開しており,内省と応援が日常的に行われる仕組みを導入しています。その結果,意味や目的を考える社員,自発的に行動する社員が続々と増えてきました。さらに,周りに関心を持ち協力し合う社員も増え,チームワークも高まり,業績が上がってきた企業もあります。「受け身な社員が人事部などの外部からの働きかけで本当に変わっていくのか?」と冒頭に書きました。その鍵はいかに組織のなかに仕組みを埋め込むかにかかっています。
(月刊 人事マネジメント 2015年11月号 HR Short Message より)
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早稲田大学卒。伊藤忠商事、アクセンチュア戦略グループ、ユーエスエスを経て、組織風土改革を支援するスコラ・コンサルトに入社。2013年、株式会社もくてきを設立、代表取締役に就任(2016年4月、エール株式会社んい社名変更)。組織コミュニケーション変革、組織開発のコンサルティング事業を展開。2015年、組織開発をより多くの人に届けることを目的に、日本初の組織開発クラウドサービス「YeLL(エール)」を立ち上げる。大手企業での導入も進んでいる。著書『他人の思考の9割は変えられる』(マイナビ)、『決める技術』(秀和システム)。 >> エール株式会社 組織開発クラウドサービスYeLL http://www.yell4u.jp |