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定期昇給は「聖域」なのか
セレクションアンドバリエーション梶@マネージングディレクター 代表取締役 平康慶浩
2012年末から2013年初にかけてメディアがしきりに話題にした経団連『経営労働政策委員会報告』は,実は目新しい記述があったわけでもない。最終的に削除された「(定期昇給の見直しも)聖域ではない」という文言が独り歩きしているにすぎず,2012年版ですでに「定昇の延期・凍結も含め厳しい交渉の可能性」「一時的な業績変動があった場合,賞与・一時金への反映が基本」と記されている。今年はメディアが「聖域ではない」と取り上げたことでむしろ免罪符となり,定期昇給解消の動きが加速する可能性が高い。 ■定期昇給は戦前・戦中の賃金統制に始まった
そもそも定期昇給という概念は多くの誤解を含んでいる。定期的に昇給の機会を与えるという意味ならば,日本に限らず世界中で一般的に存在する仕組みだ。もちろんそうでない企業も多いが,昇格昇給を含めるなら一定規模以上の企業で定期的な昇給機会を与えていない企業などないだろう。 ■生産性から人事の仕組みを考え直すとき
今のデフレと不景気のなかで生活安定要求は強く,いわゆる定期昇給を求める声は大きい。一方で実体として定期昇給はすでに形骸化しつつある。
(月刊 人事マネジメント 2013年3月号 HR Short Message より)
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アクセンチュア、アーサーアンダーセン、日本総合研究所を経て独立。「企業の進化」を理念とするセレクションアンドバリエーション鰍ナ、ビジネスモデルイノベーションと生産性向上のための組織・人事改革を支援している。主要著書に『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』(東洋経済新報社)がある。2013年には東京事務所設立。ブログでの情報発信もほぼ毎日行っている。 >> セレクションアンドバリエーション株式会社 URL: http://www.sele-vari.co.jp/ ブログ: http://hirayasu.hatenablog.com/ |