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「ポスト日雇い派遣」の雇用スタイル

潟tルキャストホールディングス 代表取締役社長 CEO 常葉浩之

■日雇い派遣の原則禁止でどうなったか?

 2012年10月1日より,いわゆる改正労働者派遣法が施行され,労働者の雇用環境改善,保護を目的とし,その一環で日雇い派遣は原則禁止となった。大半の同業他社は例外規定を利用するか,31日以上の雇用契約を締結して日雇い派遣サービスを継続しているようだ。
 しかし,2011年12月に実施した当社とリクルートワークス研究所による日雇い派遣労働者に対するアンケートからの試算では,例外規定に該当する者は従前の派遣スタッフの50%程度になってしまうため,マッチングそのものができないか,できても非常に割高になり,サービスの継続は不可能と考えている。また,雇用契約には就業場所と就業日を契約前に決定する必要があるため,前日に就業場所を確定させるような従前の日雇い派遣契約に基づいて労働者を提供することは不可能と考えている。
 従って当社は,日雇い派遣という「間接雇用」から,紹介に加えて雇用管理代行を担う「直接雇用」支援にサービスを移行している。導入されたお客様からはサービスレベルに特段変化はないと評価いただいている一方,今までのやり方を変えたくないとお考えのお客様も一部いらして,まさに今も我々のサービスを丁寧に説明している最中だ。

■細かい労働力ニーズはどこが担うのか?

 今回の日雇い派遣の禁止については誤解が多い。確かに日雇い派遣の禁止によって「間接雇用」での短期の労働のマッチングは禁止されたが,「日々紹介」による「直接雇用」でのマッチングは禁止されていない。すなわち,短期労働のマッチングに関しては,「日雇い派遣」から「日々紹介」にするだけで,特に大きなビジネスモデルの転換の必要もなく,スムーズに今まで通り我々事業者が担っていける。実際,改正前でも抵触日を迎えたお客様には「日々紹介」で対応してきたし,厚労省も「日々紹介」を推奨している。今回の日雇い派遣の禁止の目的は,「間接雇用」から「直接雇用」への転換を図ることで,雇用環境の改善が図られやすい環境を整備することにあり,短期労働のマッチングについてのみいうならば,何ら影響を与えるものではない。ただし,短期労働を希望する労働者にはタイムリーな給料の支給を求める人が多く,このニーズへの対応が必要になってくる。当社の雇用管理代行サービスを導入いただければこうしたニーズにも十分対応できる。雇用管理代行サービスはもちろんマッチングを伴わない単独でのサービス提供も可能だ。

■ニーズ細分化時代のマッチングのあり方

 ますます少子高齢化が進む日本においては,以前のように世帯主のみ働けばいいという世帯が減り,世帯構成員それぞれが余暇時間を使って働く必要のある世帯が増えていくと考えている。しかし,主婦,学生,高齢者には朝9時から夕方5時まで拘束されるような働き方を選択することは難しい。従って日次(にちじ)単位の労働は労働者サイドのニーズに必ずしも合致せず,労働の細分化が必要になる。一方企業においても1日の中でも忙しい時間帯もあれば比較的暇な時間帯もあるため,例えばピーク時の2〜3時間だけ働いてほしいというニーズは今も存在している。
 ただし,こうしたニーズは当日それも直前に判明することが多く,このニーズに対応するためには,非常に短いリードタイム,例えば,1時間とか2時間といったリードタイムでの対応が必要になっていくだろう。従って今後は,リードタイム数時間での日次ではない時間単位のマッチングの仕組みを創造する必要があると考えている。

(月刊 人事マネジメント 2013年6月号 HR Short Message より)

HRM Magazine.

  
1964年生まれ。1987年、慶應義塾大学経済学部卒。1987年リクルート入社、同社資産管理部長などを経て2005年にMKSパートナーズ入社。2006年5月、三景取締役兼COO(最高執行責任者)。2008年フルキャストホールディングス入社、取締役CFO(最高財務責任者)就任。2009年12月より現職。

>> 株式会社フルキャストホールディングス
 http://www.fullcastholdings.co.jp/