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英語力だけではグローバル人材になれない!
itim international 異文化マネジメントコンサルタント 加藤真佐子/宮森千嘉子 ■グローバル人材に必須の異文化対応力とは?
「グローバル人材」が企業の経営課題となって久しいが,実際に育成するとなると,人事ご担当者の皆様は苦労されるのではないだろうか? 海外駐在員に限らず,国内勤務の社員も多国籍の同僚・ビジネスパートナーと仕事を進める機会が増えた現在,異文化の世界に参入して結果を出すことが全社員に求められている。それには,英語力やハードスキル(会計・財務・マーケティングなど)だけでは不十分であり,ソフトスキルとしての「異文化対応能力」が重要であることが認識されてきた。しかし,多くの人事ご担当者の悩みは,「異文化対応能力とは具体的には何か,それはどうしたら身につけられるのか」が明確に絞り込めていないことにある。以下,異文化マネジメント研究の分野で一般的に受け入れられている定義とその育成方法を簡単にご紹介する。 ■異文化対応能力の定義と4要素
異文化対応能力は,「自分と異なる多様な文化的価値観を持つ人々と,効果的にコミュニケーションを取り,協働関係を築き,共に結果を出せる能力全般」と定義できる。言い換えれば,文化の違いを超えたコミュニケーション・マネジメント・リーダーシップ能力である。これらの能力は,組織のヒエラルキーの枠を超えて仕事をするグローバルビジネスでは,管理職だけでなく,一般社員にも求められる。異文化対応能力は,次の4要素から構成される。 ■異文化対応能力の育成プロセス
異文化対応能力の育成プロセスは,大まかに次の3段階に分けられる。 ■異文化対応能力育成を人事育成計画の一環に
異文化対応能力は,海外派遣直前研修などの単発・短時間で身につけられるものではない。異文化対応能力を全社員のコアスキルの1つと捉え,人材育成計画,またリーダーシップ開発プログラムの一環として位置づける必要がある。全社員対象の裾野の広い異文化への感受性育成プログラムから,特に高い異文化対応能力が求められるキーパーソン(例:現地法人のマネジメント職にあたる駐在員や現地の社長)を対象とした集中研修や継続的異文化コーチングまで,対象者やキャリアのニーズに合わせてサポートし続けるシステム作りをお勧めしたい。
(月刊 人事マネジメント 2014年3月号 HR Short Message より)
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東京生まれ。幼少期・学生時代および職業人として米国に滞在。上智大学国際関係学科修士課程修了。在オランダ富士フイルム人事部に16年勤務後、異文化マネジメント・組織文化変革支援コンサルタントとして2003年itim internationalに参加。以来、主に日欧多国籍企業を対象に、クライアント各社が文化的ダイバーシテイを超えて、より効果的にビジネスを展開されることを、異文化理解研修・異文化コミュニケーション研修・リーダーシップコーチング・チームコーチング・組織文化変革コンサルティングなどを通じて支援している。各サービスを日本語、英語、オランダ語で提供。オランダ在住。 青山学院大学文学部・英国アシュリッシビジネススクール(MBA)卒。HP、GE各社で社内外へのコミュニケーションとパブリック・アフェアーズを統括。20ヵ国を超える国籍のメンバーと多様なプロジェクトを推進。企業・教育機関などでの豊富なトレーニング・講演実績を持つ。専門領域は、異文化マネジメント・組織文化・変革促進・戦略コミュ二ケーション。グローバルリーダー支援コンサルタント・コーチ・トレーナーとしても活躍中。名古屋商科大学大学院 (MBA)客員教授(非常勤)。著書に『個を活かすダイバーシティ戦略』(共著/ファーストプレス)。 >> itim international http://www.itim.jp/ |