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米国型人事の文化的背景とは
Philosophy LLC President 山口憲和
日本,台湾,中国,タイ,インドネシア,インド。2000年から2003年まで筆者が米国系の人事コンサルティングファームで関わったプロジェクトの国々だ。筆者はその後,2004年に渡米。米国系のファームにいたので,そのまま通用すると思っていたら,あまりに人事の事情は違っていた。米国の人事の基礎はとにかく「訴訟を防ぐこと」。日本で“いかに人材を有効活用するか。輝く人材を創り出すにはどうしたらよいか”と議論をしてきたことを考えると,とても後戻りをしたように感じた。 ■米国企業を取り巻く訴訟リスクの実際
カリフォルニアでコンサルティングをしていると様々な訴訟の事例に出食わす。 ■米国で「仕事基準」の人事制度が発達した理由
これら事例を見てお分かりの通り,実際に起きたことより訴訟を受けるリスクのほうが大変に高い。そのため,米国の人事では訴訟リスクをいかに低くするかが第一歩であり重要課題になっている。訴訟の種は「ハラスメント」や「賃金」のほか,近年多くなっているのは「報復措置」である。例えば従業員がセクシュアルハラスメントを受けていると会社側を訴えてきた場合に,会社がその従業員を煙たく思って,解雇したり,左遷したり,給与の減額をしたりすることが該当する。訴えを無視して取り合わないということも「報復措置」と見なされる。
(月刊 人事マネジメント 2015年3月号 HR Short Message より)
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米国、日本、中国、台湾、タイ、インドネシア、インド等各国の日系企業に対して米国型人事制度の設計、導入、運営を支援する。2004年からロサンゼルスに拠点を移し、米国人事に欠かせない保険のライセンスも取得することで日本からの進出企業のサポートを総合的に行っている。群馬県立高崎高等学校卒業。東京外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業。中国 復旦大学 国際文化交流学院修了。慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 修士課程修了(MBA)。全日本空輸株式会社(ANA)Mercer 等を経て現職。共著書に『優秀人材の囲い込み戦略』東洋経済新報社がある。 >> Philosophy LLC http://www.yourphilosophy.net/ |