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「ヒトを中心にした経営」の生産性に注目
一般社団法人日本能率協会 KAIKA研究所 山崎賢司 ■不確実性の高い経営資源「ヒト」を活かす
「ヒト・モノ・カネ・情報」といわれる経営資源は,技術や知財あるいは時間なども含めて語られることがあります。このうち最も不確実性が高いのが「ヒト」です。「ヒト」は組織の視点から業績への貢献に大きな期待が持てる経営資源であると同時に,環境やモチベーションによってはマイナスに働く存在でもあります。他の経営資源と異なり,「成長する」「化ける」可能性があると同時にその逆もありえます。「ヒトを中心にした経営」とは,その不確実性がプラスに転じるように働きかけるマネジメントといえるでしょう。例えば「生産性」をテーマとすると,不確実性は極力排除した考え方になりがちです。生産性はざっくり「アウトプット÷インプット」となります。アウトプットは産出された財・サービス(の量)あるいは付加価値(金額など)を,インプットは主に経営資源を,指します。従って生産性を向上させるには,分母であるインプットを小さくすればいいことになります。つまり必要な時間や人数・工程が少ないほど,必要なコストが低いほど,生産性は向上します。主にものづくりの現場で行われる徹底的な「業務改善」では,時間・工程・レイアウトなどを見える化することで,不確実性を極力排除し生産性を上げています。 ■モチベーションが沸くプロセスはどこか?
ところが「効率」とは異なるアプローチで生産性を上げた部品メーカー(以下A社)があります。A社では創業以来,長らく大口ロットの受注に力を注いできました。1つの部品を大量に作るので設計や開発は1回で済み,生産量に比例して1個あたりのコストも下がります。利益率は低いのですが,優良な取引先を確保している限り安定的なビジネスが続く構造でした。
(月刊 人事マネジメント 2019年9月号 HR Short Message より)
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大学卒業後、英国国立ウェールズ大学経営大学院 経営学修士課程MBA(日本語)修了。地方銀行を経て社団法人日本能率協会(JMA)へ入職。リーダー育成、経営者選抜育成等の教育研修のほか、各社に応じた組織診断、風土改革、教育体系・人事制度構築など300社以上の企画提案を行ってきた。2011年に提言した「KAIKA経営」を主導し、現在はKAIKA Awardsの企画・運営を担うとともに、経営者の想いをコンセプトメイクすることや、各社の人事・組織領域を中心とした企画支援・業務フローのドキュメント化など(ビジョン・理念から中長期・短期戦略、人事制度・規程など)の支援を行っている。 >> (一社)日本能率協会 https://www.jma.or.jp/ >> 社会・人起点の組織づくり「KAIKA」 https://kaikaproject.net/ |