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リスキリングを加速させるために
アルー(株) 代表取締役社長 落合文四郎
企業が人材に求めるスキルや働く人々の価値観の変化などにより,人と組織の関係性が変化しつつあります。企業には,個人が自己のスキルを継続的に磨き,成長できる環境作りが求められ,この変化がリスキリングの重要性を高めています。 ■企業がリスキリングで直面する課題とは
一方で,リスキリングの推進には様々な課題があります。その1つに,リスキリングに対する個人の主体性の弱さが挙げられます。社会的にリスキリングの重要性の認識が高まっていることと,社員一人ひとりが主体的にリスキリングに取り組むことにはギャップがあります。これまでの日本の経営では,会社が社員のスキルアップの場を提供し,社員がそのベネフィットを享受するという形態をとってきました。このような関係では,個人が主体的にスキルアップする意識や行動習慣を獲得しているとは限りません。従って,公募研修やeラーニング受け放題などの自律的な学習環境を整えさえすれば,リスキリングはうまくいくというわけにはいかないのです。例えば,eラーニングの受け放題サービスを導入しても利用率が低く,効果が限定的というのが典型的な失敗例です。 ■リスキリングで効果を上げるポイント
リスキリングで効果を上げるためには,多くの社員が主体的にリスキリングに取り組むという理想を一足飛びに実現しようとするのではなく,社員が学習へのモチベーションや習慣を獲得するための段階的なステップを提供していくことが現実的なポイントになります。
(月刊 人事マネジメント 2024年7月号 HR Short Message より)
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1977年生まれ。2001年、東京大学大学院理学系研究科修了後、株式会社ボストンコンサルティンググループ入社。2003年10月、現・アルー株式会社を設立し、代表取締役に就任。企業の課題を一つひとつ解決することを通して社会への貢献を果たすことを目指し、人材育成支援に取り組んでいる。「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。」をミッションに掲げ、教室型研修をはじめ海外拠点での研修、LMS(ラーニングマネジメントシステム)「etudes」など幅広くサービスを展開。元京都大学経営管理大学院特命教授。 >> アルー(株) https://www.alue.co.jp/ |