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SNS炎上リスク研修のポイント

(株)エルテス 経営企画部部長代理 奥村高大

 SNSは,私たちの生活になくてはならいない情報共有ツールです。SNSを自社のプロモーション活動,人材採用の手段の1つとして積極的に活用する企業も増えています。また,従業員たちがプライベートでSNSを利用することも,当たり前になっています。一方で,SNSを含むデジタル空間で発生した炎上事件が,メディアに取り上げられ,社会問題化し,企業・個人が謝罪を求められたり,業績悪化を招いたり,個人のキャリアが大きく傷つくような事態が起きているのも事実です。エルテスは,常時300社を超える企業に関連するSNS投稿を監視し,リスク発生時のコンサルティングサービスを手掛けています。日々デジタル空間で発生している炎上の分析から見えてきた,企業が知っておくべきSNSリスクの分類と,企業が取り組むべきSNSリスクを軽減する教育研修のあり方をご紹介します。

■炎上パターンは5つに整理できる

 「炎上」といっても,様々な様態があります。いわゆるバイトテロのような,従業員が勤務中に不適切な言動を行い,それをSNSにアップして批判を浴びる姿を想像されるかもしれませんが,炎上パターンはそれだけではありません。「自社は年配の従業員が多く,SNSを積極的に活用していないから大丈夫」という考え方も通用しません。公共の場での脱法行為・不適切言動がスマホで撮影され,ネット上で拡散されるケースはよくあります。その写真・動画を手がかりに,個人情報・所属企業が特定され,本人はSNSを利用していなくても,炎上する事件が起きています。SNSリスクの全体感を把握し,解像度を高めて予防対策を展開する必要があります。炎上パターンは次の5つに整理できます。
@企業の情報発信の炎上
 企業の広告プロモーション,公式SNSアカウント発言などに対して批判が殺到するケース
A企業インシデントに対する炎上
 顧客対応,品質問題,不祥事などのインシデントに対する批判が殺到するケース
B企業に属する個人の言動が炎上
 経営者を含む,所属企業を公開している従業員のデジタル空間・リアル空間での不適切言動への批判が殺到するケース
C匿名での従業員の言動が炎上
 組織や名前などの個人情報を明かしていなくても,不適切な言動に対して個人が特定され,所属企業にも批判が及ぶケース
D炎上発生後の広報対応に対する炎上
 リスク発生時の広報対応のスピード・質に問題があり,企業への批判が加速するケース

■求められる企業のSNSリスク教育研修とは

 上記のように炎上パターンを分けて理解すると,対象別に精度の高い教育研修が実施できます。
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@企業の情報発信の炎上 → 企業プロモーションなどの情報発信者に対する教育
A企業インシデントに対する炎上 → インシデント発生時のSNSへの影響を理解する管理職への教育
B企業に属する個人の言動が炎上 → 経営者や会社の看板を背負って活動する従業員への教育
C匿名での従業員の言動が炎上 → SNSリスクの怖さを理解いただく全従業員に対するSNSリスク教育
D炎上発生後の広報対応に対する炎上 → SNSリスク発生時の対応を行う危機管理対応部門向けの教育

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 SNSリスクの全体を俯瞰し,自社のリスク度合いを把握しながら,教育研修の体系と内容を検討していくことが,担当者には求められています。

(月刊 人事マネジメント 2024年12月号 HR Short Message より)

HRM Magazine.

 
大学卒業後、金融機関、人材紹介ベンチャーを経て、2018年に株式会社エルテスに入社。人材紹介企業では、大手企業の役員クラスの人材紹介なども手掛ける。エルテスでは、マーケティング業務に従事し、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆なども行ってきた。現在は、経営企画部で、広報・IRなどのコミュニケーション戦略を担っている。

>> (株)エルテス
   https://eltes.co.jp/





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